トップページ ≫ 大雪山花紀行
難 易 度 ★★★☆☆
距  離 約12Km
登山開始時刻 6:00発 黒岳ロープウェイ
登山終了時刻 15:00着 銀泉台
15:30発 層雲峡温泉行きシャトルバス乗車
所 要 時 間 コース一周 約7時間半
※上記所要時間は、標準的体力の人が行動することを前提とし、休憩時間などを含まない時間になります。
消費カロリー コース一周 約4000キロカロリー
(成人男性 体重70kgの場合)
装  備 登山靴、タオル、雨具、日焼け止め、昼食、行動食、水(1.5リットル以上)、熊鈴、虫除けスプレー、地図、コンパス
 黒岳山頂までのアプローチは、黒岳ロープウェイとペアリフトを乗り継ぎ、約20分ほどで、一気に黒岳7合目に到着します。リフトに乗っている間、足元には、様々な高山植物が見られ、親切にも名前まで書いてあっていい勉強になります。
黒岳ロープウェイを動画で見る

 黒岳7合目からの眺望は、北方に天塩岳、東方にニセイカウシュッペ山や平山などの北大雪の山々が見えます。朝一番でここを訪れると雲海になっていることもあり、生涯忘れることができない景色に出会えるかもしれません。それでは準備運動をし、入山届に記帳して、いざ黒岳山頂目指して出発です。
 コース序盤の黒岳東斜面は、山頂まで急な勾配の斜面が続くのと、風がほとんど吹かないため、非常に蒸し暑く、汗が噴き出してきます。この風がほとんど吹かないのが要因となり、黒岳東斜面は大雪山系屈指の高山植物の種類の多さに繋がっています。 イキナリの上り坂でつらいですが、小休憩を取りながら頑張って登っていきましょう。8合目付近からは徐々に植生が変わっているのことに気づくと思います。今まで緑の中に花が一輪というような斜面でしたが、この付近から、白、紫、黄色の花が目に付きます。この黒岳8合目付近から山頂にかけてが、黒岳の代表的な高山植物の大群落が見られる場所で、タイセツトリカブトやトカチフウロ、ハイオトギリなど様々な高山植物が観察できます。中でもチシマノキンバイソウの大群落は一見の価値があり、多くのカメラマンが「まねき岩」を背景に素晴らしい花景色を撮影しようと重い機材を抱えて登ってきます。
 黒岳山頂に到着すると、そこからの眺望は、今まで登ってきたツライ東斜面の疲れを一気に忘れさせてくれるほどの広大な景色が広がります。まさに、ここは「カムイミンタラ」「神々が遊ぶ庭」と昔アイヌの人々が大雪山をそう呼んでいたのが分かる気がします。
 ここからの眺望は、南方遠方に石狩連山が見え、赤岳、烏帽子岳、と続き、西方には、これから向かう北海岳、白雲岳、旭岳、北方に北鎮岳、凌雲岳が見えます。中でも北海道で2番目に高い北鎮岳の「白鳥・千鳥の雪渓」は、大変美しく、目を引きます。
 ここでしばらく休憩してると、大雪山の人気者が足下で走り回っています。エゾシマリスです。北海道の短い夏を一生懸命生きています。くれぐれもエサなど与えないでください。人間からエサをもらった野生動物は、自活することを忘れ、その年の冬を越せないといわれています。
 続いて、黒岳山頂から黒岳石室へ向かいます。黒岳東斜面とは対照的に、風も冷たく、高山植物も背丈が低くなります。この山頂付近に生育する高山植物は、風や積雪に強い高山植物で忍耐力はナンバー1です。エゾツツジやイワウメ、チシマツガザクラが代表例で黒岳山頂直下で観察できます。しばらく歩くと黒岳石室が眼下に見えてきます。そこからは両サイドに大きな雪渓が見え下っていくと、両側にチングルマの大群落が見えます。それにまじってヨツバシオガマも咲いています。黒岳山頂より20分ほど歩くと、黒岳石室に到着します。黒岳石室は6月下旬から9月末まで管理人が常駐しており、食料や飲み物などを購入することができ、宿泊もできます。
 また、黒岳石室の隣には、微生物の力で排泄物を分解するバイオトイレがあり、ここで用を済ませて北海岳へ向かいます。
 なお、バイオトイレでは、利用時に200円の協力金お願いしていますので。ご利用の際には、ご協力願います。
黒岳石室で一休みした後は、黒岳石室手前の分岐点から北海岳方面へ向かいます。
 北海岳へ向かう登山道周辺には、キバナシャクナゲ、チングルマ、エゾコザクラ、エゾノツガザクラ、ジムカデなどの小柄でかわいらしい高山植物の群落をあちこちで見ることができ、この周辺一帯を「美ガ原」と呼んでいます。黒岳石室から約15分ほど下ると川の流れる音が聞こえます。赤石川です。近づくにつれて硫黄臭がしてきます。 赤石川は、今から約15万年前に火山活動によってできたお鉢平中央火山が、約3万年前に大爆発をして、お鉢平カルデラとなりました。その後、その凹地に湖ができ、約2万年〜数千年前に湖の外壁が侵食により崩壊し、東北側から湖の水が流出し、現在の赤石川になったと言われています。雪解け時期や降雨後には増水の恐れがあるので、赤石川を渡る際には事前に層雲峡ビジターセンターに問い合わせしておけば安心です。
 道中、ガサガサと物音が聞こえたと思い、ふと茂みの中を見てみると、ギンザンマシコ(メス)がいました。この鳥は、大雪山を代表する鳥の一つで、「氷河期の生き証人」と呼ばれ、はるか昔、氷河期の時期にユーラシア大陸方面から渡ってきて、氷河期が終わった頃に、この大雪山に取り残され、ここに住み着いたと言われています。予想外の出来事に、思わず笑顔がこぼれます。
 赤石川、北海沢を越えると、北海岳手前から少しづつ登り勾配が大きくなってきます。この辺りの登山道から、大き目の砂礫混じりの道に変わり、滑りやすくなってきますので、一歩づつ慎重に歩いていきましょう。
 噴出す汗を拭いながら北海岳稜線まで登れば、右手に北鎮岳やお鉢平の外輪山である間宮岳などが見えてきます。ここまでくれば北海岳までもう少しです。
 北海沢〜北海岳までの登山道では、クモマユキノシタやミヤマリンドウ、チシマクモマグサ、コマクサなどの高山植物が、岩場の隙間から顔を覗かせ、精一杯太陽の光を浴びています。
 北海岳山頂は、大雪山系の山々がほぼ見渡せ、大正の文人大町桂月が「冨士に登って山岳の高さを語れ、大雪山に登って山岳の大きさを語れ」と一文にあるようにとても広大な景色が目の前に広がります。ここからの眺望は、東方に黒岳が、南方には白雲岳、その後方には高根ヶ原、トムラウシ山と続き、西方には、北海道の最高峰旭岳が見えます。眼下に広がる凹地は、お鉢平カルデラです。
 大雪山の自然の息吹を感じながら、しばし小休憩を挟み、次は北海平から白雲岳分岐へと向かいます。コースも折り返し地点へと差し掛かりました。